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風力発電による全電力供給、理論的には可能だが…

 世界で必要な電力のすべてを風力で供給することが理論的には可能、と結論づける2つの研究論文が発表された。

■潜在能力は需要の20倍超

 AP通信によると、1つは気候変動関連の科学誌英ネイチャー・クライメート・チェンジに掲載された米カーネギー研究所のケン・カルデイラ氏らによる研究。物理的には現在世界中で消費されているエネルギー量の20倍以上を風力で生産できると推定している。カルデイラ氏は「問題は基になる資源の量ではなく、経済や技術面」と指摘した。

 今のところ、世界の電力供給に占める風力発電の割合は極めて低く、最大限まで生産を拡大するには施設を劇的に増やさなければならない。この点に関して、米科学アカデミー紀要に掲載されたもう1つの研究論文の作成者スタンフォード大学のマーク・ジェイコブソン教授(土木・環境工学)は、「既存の風車(タービン)1基に対して100基の割合で最新のタービンがあれば可能」と指摘する。カルデイラ氏の推定よりは少なめだが、ジェイコブソン氏も現在および近い将来の世界需要をはるかに上回る大量の電力を風力で生産できるとみている。

■経済的には非現実的

 しかし、風力発電を拡大するには、立ち上げ費用、化石燃料に対する援助、低価格の天然ガスなどかなり困難な障壁がある(ジェイコブソン氏)。マサチューセッツ州のエネルギー長官を務めた経験もあるハーバード大学のヘンリー・リー教授(環境エネルギー学)も、世界の電力を風力で賄うという発想にはいくつかの問題があると指摘する。まずコストが高すぎる。さらに、タービン建設のための地上の面積が広大になる上、送電網も劇的に広げなければならない。

 ケイトー研究所のエネルギーおよび環境アナリスト、ジェリー・テイラー氏は「経済的な現実味に欠けるため、いずれの研究もまったく通用しない」と切り捨てている。カルデイラ氏も実現の難しさは認めており、「現代文明に風車で電力を供給するには、1平方マイル当たり2基前後のタービンが必要になると思う。それは簡単なことではない」と話している。

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